失敗しないホームページ制作会社の選び方｜中小企業が見るべき7つのチェックポイント

ホームページ制作は、中小企業にとって決して小さくない投資です。しかし現場では「制作会社選びを間違えた」という相談は後を絶ちません。
実際によくあるケースとして、

• 価格の安さだけで決めてしまい、完成したサイトがテンプレで集客できない
• 担当者が途中で変わり、伝言ゲームになって品質が低下
• 修正依頼をするたびに追加料金が発生してコストが膨らむ
• 公開後の運用サポートが弱く、結局社内では更新すらできない
• SEO内部がまったく整備されておらず、検索順位が上がらない

など、「よくある落とし穴」が多数存在します。

中小企業では、Webに詳しい社員がいないケースも多く、制作会社の良し悪しを正しく見極めることが難しいのが現実です。そのため、“判断基準を持たないまま依頼する” こと自体がリスク になります。

そこで本記事では、ホームページ制作の実務経験にもとづき、中小企業が制作会社を選ぶ時に必ず確認すべき7つのチェックポイント をわかりやすく解説します。この記事のチェックリストに沿って比較するだけで、制作会社選びの失敗確率は大幅に下がります。

まず前提｜制作会社選びで失敗する3つの典型パターン

ホームページ制作で後悔している企業の相談を受けていると、ほぼこの3つのパターンに集中します。

① 料金の安さだけで選んでしまう

制作会社を探すと、
「初期費用0円」「月額1万円〜」「無料で作成します」
といった低価格プランをよく見かけます。

もちろん低価格自体は悪いものではありません。

しかし、安さだけで決めると、次のような落とし穴があります。

• テンプレートでしか作れず独自性がない
• SEOの内部構造が弱く、検索に弱い
• 修正が有料で、結果的に高くつく
• 1年未満で担当者が変わる（または消える）

価格は大切ですが、同時に「何が含まれているのか」まで必ず比較する必要があります。

② 担当者のスキルを確認しない

制作会社の“会社としての実績”が良くても、実際に担当するスタッフのスキルが低いケースはよくあります。

• 営業だけがヒアリング
• 制作は外注のフリーランス
• コーディングは別会社
• 修正はサポートチームが担当

このように分業されていると、伝言ゲームで品質が落ちやすい のが現実です。
ヒアリングの段階で、「誰が制作するのか」「その人の実績は？」を必ず確認しましょう。

③ 公開後の運用を考えていない

制作会社の選定では、制作そのものに目が行きがちですが、集客ができるサイトほど公開後の運用が重要です。

• 更新費用の範囲
• 操作レクチャーの有無
• SEOの改善提案をしてくれるか
• バックアップは？
• 不具合修正は無料？

運用方針を決めずに制作を進める会社は、作って終わりタイプの危険度が高い といえます。

失敗しないために｜制作会社選びの7つのチェックポイント

ここからは、制作会社を比較する際に必ず押さえておきたい7つの基準を解説します。

自社と同じ業界の実績があるか

ホームページ制作は、業界によって必要な見せ方が大きく異なります。

たとえば…

• 士業：信頼性・実績・料金の明確さ
• 飲食店：写真と雰囲気、メニュー、予約導線
• 美容サロン：ビフォーアフター、口コミ、料金プラン
• 製造業：設備・技術・加工精度・制作事例
• スクール／教室：料金体系、コース比較、問い合わせ導線

これらの業界の文脈を理解していない制作会社だと、デザインは綺麗でも成果が出ないサイトになります。

【よくある失敗例（汎用化された実例）】

• 飲食店：写真が弱く、予約ボタンが下部にあり予約率が低迷
• 士業：実績が掲載されず、信頼性が伝わらない
• サロン：料金が見つけにくく、離脱率が高い
• 製造業：技術説明が不十分で問い合わせに繋がらない

【簡易チェック方法】

□ 似た業界の制作実績を見せてもらったか？
□ その会社が作った業界サイトの成果事例はあるか？
□ 業界特有の課題を理解しているか？

担当者のレベル・役割が明確か

企業規模に関係なく、担当者のスキルによって仕上がりは大きく変わります。

チェックすべき項目：

• 実際に制作する人が打ち合わせに参加しているか
• デザインとコーディングの両面を理解しているか
• SEOの知識があるか
• 過去の担当案件でどの部分を担当したか

制作会社の名前よりも、担当者の力量が完成度を決める最大要因 です。

見積もりが明瞭か｜曖昧な項目は要注意

見積書でよくあるトラブルはこれです。

• 「デザイン一式」
• 「SEO対策一式」
• 「保守一式」

これらの “一式” は何が含まれているかわかりません。

失敗しないためには、

• デザイン：トップ＋下層○ページ
• コーディング：レスポンシブ含むか
• CMS構築：WordPressの範囲は？
• 記事作成：本数と文字数は？
• 保守：更新何回？表示速度改善は？

明細が細かいほど、後で揉めません。

デザイン力より「目的達成」が優先されているか

集客が目的なのに、デザインだけ良くても意味がありません。

目的が異なれば、最適な構成はまったく違う からです。

例：

• 問い合わせが目的 → CTA配置、導線設計
• 採用が目的 → 求人情報、写真、スタッフの声
• 店舗型 → 地図、メニュー、予約導線
• 製造業 → 技術力と設備紹介

「おしゃれ」より「成果」を重視している会社を選びましょう。

SEO内部構造に強いか（内部構造が弱い制作会社が多い）

制作会社の多くは「SEO対策できます」と言います。しかし実際には、内部構造がまったく整っていないケースが非常に多いです。

SEO内部構造で最低限確認すべき項目：

• 見出し階層（H1〜H3）が正しいか
• パンくずリスト
• 内部リンク設計
• 表示速度の最適化
• 画像圧縮・WebP対応
• スキーマ構造化（構造化データ）

これらができていないと、どれだけ良い文章を書いても検索順位は上がりません。

サポート体制が明確か

月額費用は「何が含まれているか」で大きく変わります。

要チェック項目はこちら。

• 修正対応は何回まで？
• 電話・LINE対応は？
• WordPress更新は含む？
• トラブル対応の範囲は？
• バックアップは？

ここを曖昧にしたまま契約すると、100%後悔します。

契約条件（縛り・ドメイン所有権）を最終確認する

これは必ず確認してください。

• ドメインは誰の名義か
• サーバーはどちらが管理するか
• 解約後のデータはどうなるか
• 途中解約の違約金は？

特にドメインが制作会社名義になっていると、
解約後にサイトを移行できない
という深刻な問題が起きることがあります。

契約前に必ず確認しましょう。

制作会社の種類比較｜どこに依頼すべき？

制作会社は大きく分けて3種類あります。

① Web制作会社（法人）

• 提案力が強い
• 実績が豊富
• 安定している

ただし、担当者のスキル差が大きい ため油断は禁物。

② 広告代理店（外注型）

• 企画力が強い
• マーケティング視点がある

一方で、制作は外注で品質差があることも。

③ フリーランス

• 料金が比較的安い
• 小回りがきく

ただし、品質が個人差に依存しやすいというデメリットもあります。

見積書の見方｜損しないためのチェックポイント

競合記事にはあまり書かれていませんが、「見積書の見方」は最も差別化できる部分です。

見積書の重要ポイントは次のとおりです。

• デザイン
• コーディング
• CMS構築
• 画像素材
• 原稿ライティング
• SEO設定
• 保守／運用サポート

細かく書かれている見積書は、誠実です。

相性の良い制作会社を見つけるための質問例

初回相談のときに、これらを聞くと品質が見抜けます。

• 誰が制作するのか
• 過去の実績の詳細（担当箇所を含む）
• 更新はどこまで対応可能か
• SEO内部対策は何をするか
• 他社との違いは何か
• サイト公開後のサポート内容は？

この6つだけで、担当者のレベルははっきり分かります。

FAQ｜制作会社選びに関するよくある質問

制作会社選びは「基準」を持つだけで失敗しない

制作会社選びは難しいものですが、比較基準を持てば、ほぼ失敗しなくなります。
この記事で紹介した7つのチェックポイントは、実務経験に基づいた再現性の高い判断基準です。

• 業界の実績
• 担当者レベル
• 見積書の明確さ
• デザインより目的優先
• SEO内部構造
• サポート体制
• 契約条件（特にドメイン）

この7つを押さえて比較すれば、中小企業でも安心して制作会社を選べます。